人も犬も褒めて育てることが最も有効な指導法です。昔のしつけは、犬になめられてはいけないとか、従わさせなければいけないと、強行に叩いたり脅かせたりして教育しましたが、昔の番犬や作業犬時代と違い、現代では愛犬を家族として育てている方が圧倒的です。無駄吠えを止めさせたり、落ち着いてほしい時に座ってまったりと、人間との共同生活では覚えておきたいことがたくさんあります。飼い主さんは、これらを愛犬にひとつひとつ教えていかなければならないのです。
飼い主さんのことが大好きで、同じ「群れ」として一緒に暮らしている犬にとっては、飼い主さんは生活の指導者であり、自分の身を守ってくれるリーダーでもあります。自分の信頼するリーダーから認められ、褒められることは愛犬にとっては何事にも代えがたい最も嬉しい動作なのです。いろいろなことを教える過程で、時には叱る必要も出てくるとは思いますが、基本は褒めて教えていきます。
最も有効な「褒め方」
最も有効な「褒め方」ですが、意外にもあまり研究せず、なんとなく…褒めている方が多いのです。人に個性があるように犬にも個性があり、オーバーな表現を喜ぶ犬もいれば、反対に大げさを嫌い物静かな褒められ方が好きな犬もいます。触ってほしい場所も犬によってまちまちで、おでこが好きな犬もいれば、首筋が好きな犬もいます。場所だけでなく、触られ方にも個性があり、ゴシゴシと大きく褒められるのが好きな犬もいれば、そっとソフトに触れられるのが好みの犬もいます。
人と同じように、犬も触ってほしい場所を触ってほしい触れられ方で褒められた時の喜びは倍増します。「褒めて育てる」のは大事と知っていても、愛犬のどこをどう触れば最も効果があるかを知らずに褒めていては、せっかく「犬は褒めて育てる」と知っていてもその効果は半減してしまいます。まずはどんな褒められ方が最も好みなのか、愛犬の個性を見極めましょう。