うさぎの『緊急サイン』を見逃さないためには、『その子の普段の様子を知る』ことが最も重要です。
「なんとなく元気がない」
そう感じた時、それはいつも一緒に過ごしているご家族だからこそ気付ける一番の『緊急サイン』です。病院で検査を行う際も、ご家族の方からの情報が大きな手掛かりになることが多く、結果としてうさぎへの負担を減らして処置を行うことが出来ます。
来院される方の多くは、「ご飯を食べない」「便が出ない」などの症状から診察、身体検査に移ります。
今回は、明らかな症状が出る前に起こりうるサインの例をいくつか挙げてみましょう。
✓あくびや歯ぎしりが増えた
✓おやつや牧草を選り好みするようになった
✓涙や目やにが増えた
このような様子が見られたら、口の中の痛みや噛み合わせの問題(不正咬合)などがある可能性が考えられます。食欲が落ちる前に早めに病院へ相談しましょう。
また、性格や行動にも変化が起こる時があります。
✓よく足ダン(スタンピング)をするようになった
✓同じ方向にくるくる回る時がある
✓トイレに行く回数が増えた
✓あまり外に出たがらなくなった
一つ一つは小さなことでも、さまざまな疾患の前兆である可能性があります。
日頃からコミュニケーションを取ることを意識して、
✓触ると嫌がる部位はないか
✓お尻や後ろ足が排泄物で汚れていないか
✓口周りがよだれで濡れていないか
✓爪が伸びすぎていないか
など、実際にスキンシップがないと分からないサインも多くあるため、ひっくり返す体勢や抱っこが出来るような信頼関係を築いておくことも大切です。
もちろん、ある日突然やってくる事故や病気もあります。そんな時は、決してご自身を責めず、まずは落ち着いて側で声を掛けてあげましょう。ご家族の不安を一番に感じるのは、動物です。入院が必要な時は、普段お家で好きなものやリラックス出来ることをぜひ教えて下さい。
うさぎは、本来の性質から身体の不調を隠そうとする生き物です。少しでも異変を感じたら、夜間でも朝を待たずに受診することを強くお勧めします。小さな身体が訴える『緊急サイン』を見逃さないように心掛けましょう。